編集長だより

第16回編集長だより

こんにちは、藤尾です。

先日私の住んでいる地区、崎地区で「崎フェス」なるものが開催されました。

この崎フェス、数年前までは地区の人たちだけでこじんまりと行われていたようですが、今年はプロのサックス奏者や歌手に参加して頂いたり、島内に限らず島外からも沢山の人に来ていただいて、本当に賑やかなイベントになりました。

以前第10回編集長だよりにも書きましたが、この崎地区の人たち、本当にすべてにおいて全力です。

今回のイベントでも、何ヶ月も前から集まってバンド練習をしたり屋台で提供する食べ物の試作を繰り返し作ったり…と本当に全力でした。

一日の仕事を終え、ヘトヘトに疲れているはずだけど、みんなで集まって夜遅くまで練習する、準備する…。

綱引きの時もそうでしたが、その一生懸命さとタフさに私は驚かされっぱなしでした。

今回のイベント、本当に楽しく盛り上がった最高の催しになりましたが、それ以上に私にとっては考えさせられることの多いイベントとなりました。

Baby, God Bless You

今回のイベントで私は崎バンドのキーボードを担当させて頂いていましたが、他にもピアノのソロを担当させて頂いていました。

ドラマ コウノドリのテーマ「Baby, God Bless You」

崎村での私のお父さん的な存在、H・Kさんが私に紹介してくださった曲です。

「god bless you」は「祝福」意味します。

「どんな命も意味のない命なんか無い。生まれてこなかった方が良かった命なんか無い。生まれてくるすべての命に『おめでとう』、これからの人生沢山の試練も待っているかもしれないけれど『おめでとう』」

そんな想いが込められている曲です。

とても美しく繊細な曲ですが、私にとってはとっても難しい曲でした。

タイムリミットは3週間。

一日の仕事終えてから、大学に向かう前。隙間時間を見つけて私なりに一生懸命練習しました。

でも、難しくて、なかなかうまくいかなくて。

途中でギブアップしようかなと思ったこともありました。

でも、そんな時たまたま崎小学校で仕事をしておられる地区の方が私のピアノの音を聞いて、

「すごくいいじゃん~もっと弾いて~。すごい素敵。」

とまだまだボロボロのお聞かせするのにも恥ずかしい私の演奏を褒めて下さったり、

「頑張れ、まだ時間はあるよ。きっと大丈夫。」

と声を掛けてくださったりして本当に励みになりました。

特に、この曲を紹介してくださったH・Kさんに、

「もうできる気がしないです。難しすぎます…。」

とつい弱音を吐いてしまった時に、

「こと、お前ならできる。」

と真剣な顔つきで言われた時には、本当に涙が出そうになりました。

本番までの時間、たとえうまく弾けなかったとしても努力だけはしよう、私なりに頑張ろう、ともう一度曲に向かい合うことが出来ました。

本番、時間の都合でイベント会場では演奏できなかったのですが、その場にいた崎のみなさんが全員集まってくれて、私の演奏を真剣に聴いてくれました。

結局上手く弾けずにぼろぼろの部分もあったけれど、それでも最後までみんなが真剣に聴いてくれたこと、「頑張ったね」って慰めてくれたこと、「また弾いてね。」って 言ってくれたこと。

たとえ上手く弾けなかったとしても、私の音色を真剣に受け止めてくれる人がいる、それだけとても幸せでした。

曲が終わった瞬間、つい涙が溢れてしまいました。

うまく弾けなかったとか、緊張したとか、哀しい涙ではなくて、なんだか心の奥底がじわっとあたたかくなって、崎に会えて、また戻って来られて本当に良かったなぁっていう気持ちが溢れて。

難しい曲ではありましたが、挑戦して本当に良かったと思っています。

「琴の音色のように、美しく優しい子に育ってほしい。」そう想いを込めて両親がつけてくれた私の名前。

そのこともあって「洋琴」と書くピアノがずっと大好きで、十数年間続けていました。

けれど大学進学が思うようにいかず、それを期に私はピアノを辞めてしまいました。

それ以来、両親に対する申し訳なさやピアノに対する複雑な感情が蟠りとなってずっとピアノを避けていました。

そんな私をもう一度ピアノと向かい合わせてくれたのが崎村でした。

頑張るのも全力、楽しむのも全力。

冒頭にも書きましたが、崎村の人たちは何に対しても全力です。

バンド練習、準備は勿論一生懸命なんですが、楽しむことにも一生懸命、全力なんです。

どんな飲み物でも炭酸飲料にしてしまう装置であらゆる飲み物を炭酸飲料にしてみたり…

練習中のひとこま。真剣です。

顔にペイントしてみたり…

一番左は誰でしょうか…藤尾ではない。と信じたいですね…笑

頑張ることも全力、楽しむことも全力。

20代~60代まで、大の大人が集まって、何ごとにも全力になる。

この人たちの影響で私も私じゃないみたいに全力になって楽しんで…

1年前、崎村の人達と出会うまではこんなことできなかったけど…

「全力になること」を崎村のみなさんに教えて頂きました。

大好きな人たちと大好きな場所で心から楽しむ、全力になる

崎村と出会えて、そしてまた大好きな崎村に帰ってこれて本当に良かった、と改めて思えた一日でした。

ABOUT ME
藤尾編集長
現役女子大生22歳。「都市と離島の暮らし方研究所」編集長。 離島の卒論を書くため、2019年3月から都市と離島の多拠点生活を開始。離島で観光船あまんぼうのガイドをしながら週1回本土の大学に通う生活を送る。趣味はお喋り。