連載

第44回あいうえお色日記

「わすれなぐさいろ」

ワーホリから4ヶ月。

そろそろ忘れていることも多いだろうと思う、4月1日。
入社式で内定者課題の発表があった。

わたしは、海士町でのワーホリと、
この日記のことをプレゼンした。

海士の人のこと、
空のこと海のこと、
仕事のこと学校のこと、
聞いたこと考えたこと。

伝えたくて、たのしかった。

伝えたいことが明確なとき、
その思いが強いとき、
プレゼンなどははっきりと、手段でしかなくなる。

うまく話そう、なんて
どこかへいってしまって
どうすればよく伝わるか、
それだけに夢中になれる。
余計なことは考えなくなる。

その感覚がうれしくて、たのしかった。

物事は、実はずっとシンプルだ。
見失いたくない。

海士で感じたことだった。

海士町はたしかに
「特別」な場所だけれど、
「当たり前」が詰まった場所でもある。

珍しい理屈なんてなくて、
ただ、当たり前のことに気付きやすいシンプルさ、おおらかさを備えていた。

たくさんの人に響いてきた理由は、
そこなのではないかと思う。

やさしく、素直に
物事を見られるゆったりとした空気。

肩の力を抜かせてくれる寛容さが、
自然にも人にも、あったような気がするのだ。

こんなにも長く尾を引いて、
影響し続ける海士での1ヶ月。

まつわるあれこれを書いてきた色日記は、
わたしにとって記録であり、
手紙のようでもあった。

折に触れて読み返し、
やさしく、素直になれたらと思う。

ABOUT ME
中村祐理子
2018年11月、ワーホリで海士町に1ヶ月間滞在しました。そのときが初の離島暮らし。普段は埼玉で実家暮らしをしており、島や地方に所縁があるわけではありませんが、ワーホリをきっかけに興味を持ちました。 「あいうえお色日記」と「しりとり交換日記」を書いています。 2019年春から社会人です。