連載

第37回あいうえお色日記

「ゆりのいろ」

産業文化祭で見かけた、百合。
以前に色日記で取り上げた、イカの骨でできている花だ。

百合はわたしの名前の由来のひとつでもあるから、
見かけるとうれしくなってしまう。

「ゆりこ」という名前は母が、
その漢字は父が、決めたのだそうだ。
とても、気に入っている。

幼い頃から「百合は母の好きな花」と聞いてきて
誕生日には父が必ず百合の花を贈っていたから、
白い花や芳しい香りの花には、なんとなく気を留めてしまう。

思い返すと、幼い頃は家がすべてで、親がすべてだった。

「ワーホリで1ヶ月、離島に行ってみようと思う」
去年の8月頃、そう伝えた。

「おお、面白そうじゃないか、行け行け」と、父。
「え、どこそれ?なんでそんな遠く?1ヶ月も?島?」と、母。

自分で決めたことは、なかなか曲げない。
面白そうだと思うことには、首を突っ込んできた。

そうしてこられたのも、
帰ると親がいてくれたからだと思う。
帰る場所があるから、わたしは外に出たがるのだ。

いつだって、話を聞き、受け止め、ときには叱ってくれる親がいた。
だからわたしは安心して、
興味のあることに取り組んでこられた。

これからわたしの「帰る場所」がどうなるのかは、わからない。
けれど、わたしもいずれは「帰る場所」になりたい、とも思う。

ABOUT ME
中村祐理子
2018年11月、ワーホリで海士町に1ヶ月間滞在しました。そのときが初の離島暮らし。普段は埼玉で実家暮らしをしており、島や地方に所縁があるわけではありませんが、ワーホリをきっかけに興味を持ちました。 「あいうえお色日記」と「しりとり交換日記」を書いています。 2019年春から社会人です。