第4回あいうえお色日記(中村より)

あいうえお色日記

「えどちゃいろ」

 

隠岐神社は淡い木の色をしている。
「江戸茶色」という色があるらしい。これが近い色だと思う。

 

ここは後鳥羽上皇を祀った神社で、崩御700年の節目に造られた。

 

わたしが訪れた時間は他に誰もおらず、独り占めすることができた。
しんとしていて、質素で、どこか上品な空気がある。
乾いた枯草の匂いを吸い込み、ひとり物思いにふけっていた。

 

 

週末にはここで秋のイベント「食の感謝祭」が行われる。
年に一度、海士町で採れた食材を奉納し、感謝する。
観光協会はその準備でバタバタだ。

 

忙しい時期にワーホリに来てしまって、かえって迷惑だったかなぁ。
イベント直前に来た“よそ者”だ、できることは限られている。
もちろん誰も嫌な顔などせずにいてくれるが、自分で勝手に「早く役に立ちたい」と焦る。

 

 

でも、それは間違っているかもしれない。
江戸茶色を見ていてふと思った。

 

「成果を上げさせてくれ」ではなくて、わたしは、島のくらしに溶け込みに来た。
求められている人手を補うために来た。

 

“よそ者”と地元民とは優劣ではなく、ただ単に違うだけだから
卑下する必要はないのだろうけれど、無理に手を出すべきではないと思う。

 

時間をかけて、ゆっくりじっくり溶け込んで、少しずつ近づけたらいいな、
そんなことを考えた。

 

感謝祭。とても楽しみだ。

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