第1回多拠点生活についての研究(藤尾より)

多拠点生活についての研究

拝啓 太田さん

 

海士から本土に戻ってきて2ヶ月が経とうとしています。太田さんをはじめ、海士の皆さんはお元気ですか?

 

大阪での毎日のなかで、何度海士を恋しく想ったことでしょう。真夜中でも煌々と光り続けるネオン、それを取り巻く騒がしい人の声、時間を問わず人々が溢れかえる満員電車、皆が同じロボットのようにスマートフォンを見つめ忙しなく行き交う道…。都市を悪く言うわけではありませんが、どうしても海士と比べてしまう私がいます。

こんな晴れた夜には満天の星空が見られるんだろうなぁ、今日はどんな海の色なんだろう、秋の虫の声は聴こえるんだろうか、稲刈りを終えた田んぼ道はどんなにおいがするんだろう…。海士のことを想わない日は一日もありません。

 

都市での生活は便利なものに溢れています。24時間営業しているコンビニエンスストア、数分毎にくる電車、深夜まで営業している飲食店。確かに、それらは便利だけれど、私はどこか冷たさを感じてしまうのです。どこかマニュアルどおり、というか機械的というか、“無機質さ”を感じてしまうのです。海士の商店や飲食店と比べてしまうからでしょうか。

 

そんなことを言いながらも、私はコンビニでアルバイトを始めました。海士に行く資金準備のためのアルバイトです。あえてコンビニでバイトを始めたのには、二つの理由があります。一つ目は、夏の船渡来流亭での実習を生かしたかったからです。今までにも接客業の経験はありましたが、苦手意識しか持っていませんでした。大学生になって初めてのアルバイトで接客業を選びましたが、いつも、暗い、トロイと怒られてばかりだったからです。けれど、船渡来流亭での実習は違いました。従業員の皆さんやお客さんたちのあたたかさのおかげでしょうか、不思議と笑顔で楽しく接客ができたのです。おかげで、接客業への苦手意識はなくなりました。むしろいろんな人と関われる接客業は楽しいとまで思えるようにったのです。その時の経験を今回のアルバイトでも生かせたら、マニュアル通りの接客じゃなくて、いろんなお客さんとのふれあいを楽しむ接客ができたらな、なんて思っています。

もう一つの理由は、海士の「ないものはない」を意識したからです。海士と都市には違いが沢山あります。海士にはないものが都市には溢れている一方で、海士にあるものが都市には欠けています。でも、その違いを楽しみたいと思うのです。どちらが良いとか悪いとかではなく、どちらも楽しめたら最高に楽しいと思うのです。

春からの二拠点生活でもその点を意識したいと考えています。せっかく二拠点生活を送るのだから、都市と離島、どちらの良さも味わいたい、二拠点で生活するからこそわかるありがたさを知りたいと思うのです。

 

春からの「都市と離島の二拠点生活」のことを考えるとワクワクがとまりませんが、明日も早朝からアルバイトのためそろそろ眠りにつこうかと思います…。

 

日に日に寒さが身に染みる季節となってきました。お体には気を付けてくださいね。
それでは、お返事楽しみにしております。

 

大阪府立大学3年
藤尾ことみ