第3回編集長と副編集長の交換日記(小西編集長より)

編集長と副編集長の交換日記

太田さん

まずはお返事ありがとうございます。
朝夕はめっきり冷え込んできておりまますが、お変わりございませんか。山斗さんはまだ半袖を着ていらっしゃいますか。私はあまりにも寒くて「着る毛布」という珍妙な商品に手を出してしまいました。毎日毛布に身を包み、ぬくぬくと過ごしております。頂いたお手紙とても楽しく、そして懐かしく拝読いたしました。

 

私は太田さんとお知り合いになってまだ2年もしていませんが、太田さんが結婚式にご出席されるお姿をもう片手の指では数え切れないほど拝見しております。これもひとえに太田さんの人徳によるものに違いありません。きっと太田さんにもご幸福な縁が待っていらっしゃるのだと勝手ながらに感じております。

 

さて、今日は太田さんに私の都市での暮らしについて知っていただきたくお手紙差し上げます。私が今住んでいるのは東京都大田区上池台という土地です。ここは東京と言ってもそこまで高いビルや賑やかな通りもなく落ち着いた住宅街となっています。ちょうど私が学生時代に住んでいた香川県高松市と同じくらいの都市感で暮らしていてとっても落ち着きます。海士町で言うところの、中里、いえ東ぐらいの感じでしょうか。これでなんとなくでも伝われば幸いです。私は今、そんな土地でシェアハウスに入居しています。

そういえば海士町にいたころも太田さんとシェアハウスをしていましたね。でも、こちらのシェアハウスはこれまで私が経験したシェアハウスとは規模が違いました。なんと私は今、60人もの男女と一つの施設で暮らしているのです。

 

入居して一週間足らず、まだ全員にも挨拶しきれていないほどの数です。そもそも島のシェアハウスではだいたい全員が同じ時刻に起床し、通勤し、帰宅し、食事し、就寝していました。ですが、都市は働き方が多様で皆それぞれ本当にバラバラな時間を過ごしています。かくいう私も昼前に家を出て日付が変わるか変わらないかの時間に帰宅することが多くなり、なかなかハウスメイトに出会うことができません。つまり今の状況は他者と空間こそシェアしているものの、暮らしをシェアしているとは言い難い状況かもしれません。

それでも、やはりシェアハウスというべきは共有部での素敵な出会いが多いところです。例えば島で出会ったとある方が実は今住んでいるシェアハウスに入居されていた方だったり、海士町が導入しているCASの仕組みに興味津々な方だったり、初対面の方とでもシェアハウスならではの距離感でお話できる楽しさを日々の糧としています。まさか都市で海士町の話やCASの話がこんなにスムーズにできるとは思っていなかったので、改めて都市の幅広さに驚かされました。月末にはシェアハウスで歓迎会を兼ねたハロウィンパーティーを開催してくださるとのことで、今から楽しみでいっぱいです。

 

しかし聞いてください、太田さん。私は今の暮らしでひとつ悩みがあるのです。それは「暮らしの共有部があまりにもおしゃれな空間である」ということです。太田さん、これは大変です。笑い事ではないのです。おしゃれ濃度が高すぎる今の暮らしに私のおしゃれレベルが追いついていないのです。周りがおしゃれすぎるから、ついついキッチンで料理するときもおしゃれなメニューを作らなければという強迫観念に駆られてしまいます。本当は丼が作りたい、揚げ物が作りたい、粉物が作りたい、鍋焼きうどんとかモツの煮込みとか作りたい……。

あぁ、それでも気がつけばおしゃれ空間に流されて私の手はパスタやサラダやスープカレーを作っているのです。一体私はどうすればいいのでしょうか。ぜひ斬新な解決アイデアをご教授ください。

 

それでは秋が深まりゆく季節ですが、くれぐれもご自愛ください。
乱筆乱文失礼いたします。

 

都市と離島の暮らし方研究所 編集長
小西 未祐